死は闇ではない

身内が若くして亡くなった時に、
友人が教えてくれた。

生が光で、死が闇なのではない、と。

その人の人生が短くとも、
苦しい病床の日々を最後に過ごしたとしても、
それを憂うのではなく、

その人にも笑い転げる瞬間や、
泣きたくなるような幸福な時間があり、
良い人生だったと認めてあげるべきだ、と。

本当にそうだ。
可哀想な人生なんかじゃない。

会えなくなって私は淋しいけれど、
彼女の馬鹿笑いする瞬間の顔と声を思い出すと、
短くとも、幸せだったのだと確信できて、
安心した。

もうあれから10年経つ。